ロウソク足の見方
ロウソク足は一見とてもシンプルですが多くの情報を読み取ることができるため投資では一般的となっています。FXだけでなく株価、先物取引などマーケットを選ばず使われチャートを読み解く上での共通言語となっています。
ロウソク足を読み解くことはテクニカル分析を行う上での基礎となるのでロウソク足を理解せずにチャート分析を行うことはは難しいでしょう。ロウソク足は、他のテクニカル指標ともよく組合せて使用されるので見方を覚えておきましょう。
ロウソク足の基礎知識
ロウソク足は、ロウソクの形に似ていることからその名がつけられました。
見た目はシンプルですが、実は非常に奥深いロウソク足。
ロウソク足の意味
ロウソク足はそれ1本で、設定した時間内の始値(はじめね)・高値(たかね)・安値(やすね)・終値(おわりね)を視覚的に表現しています。
変化し続ける為替レートを視覚的に、過去のデータも含めて一目で値動きの推移を把握できるのがロウソク足の特徴です。
また、海外の投資家には「Candle Chart」と言われております。
そのため、ロウソク足を用いた分析に関する情報を集めやすい点もロウソク足を使うメリットだといえます。
同種のチャートにはバーチャートやカギ足、平均足などがあります。
世界中で使われているロウソク足ですが、実はその誕生の地は日本と言われています。
江戸時代、西暦で言うと1700年代で本間宗久(ほんま・そうきゅう)と呼ばれる天才相場師がロウソク足を発明したと言われています。同時に「酒田五法(さかたごほう)」と呼ばれるロウソク足の読み解き方も発明しており、多くの投資家に愛用されています。
ロウソク足チャートとは
ロウソク足を時系列に並べたロウソク足チャートは、過去の値動きに比べて現在の価格が高いのか安いのか、また一定期間でどのような値動きをしてきたのかという情報が一目でわかる優れものです。
テクニカル分析を用いたアプローチの中では、相場の推移と位置関係を把握する時系列チャートに分類されます。また、ロウソク足チャートは他の時系列チャートに比べて、より多くの情報を簡単に把握することができます。
ロウソク1本あたりの期間を変更することができ1年単位から1分単位等自分の取引手法や取引期間に合わせたチャートを確認することができます。

ロウソク足の見方
ロウソク足には様々な形状があり、上昇サイン、下落サインなどそれぞれ意味合いが異なります。
基本形を覚えておけば、将来の値動きを予測する上で有効でしょう。
1本のロウソク足は四本値と呼ばれる4つのデータから成り立っています。始値・高値・安値・終値の4つ。
- 始値:単位期間の開始時の値段
- 高値:期間中最も高かった値段
- 安値:期間中最も安かった値段
- 終値:単位期間の終了時の値段

終値はそのロウソク足が確定(完成)する値段となるため、ロウソク足を分析するうえで特に注目されることが多いです。
また、始値と終値で囲まれた部分のことを実体(じったい)や胴体(どうたい)と言います。
ロウソク足が確定する前は始値と現在値が実体部分になります。
そこから延びる上下の線は高値と安値を表します。高値を表す線のことを上ヒゲ、安値を表す線のことを下ヒゲと呼びます。
チャートには2色のロウソク足が存在しておりそれぞれ陽線(ようせん)または陰線(いんせん)と呼ばれ、始値より終値(もしくは現在値)が高いか安いかを表現しています。まれに始値と終値が全く同じになることもあり、これは寄引同時線(よりひけどうじせん)と呼ばれます。
- 始値より終値が高い:陽線
- 始値より終値が安い:陰線
- 始値と終値が同値:寄引同時線(十字線)
ロウソク足の単位期間
ロウソク足1本の期間は変更することができます。
期間によって分足(ふんあし)、時間足(じかんあし)、日足(ひあし)、週足(しゅうあし)、月足(つきあし)、年足(ねんあし)があり、ロウソク足1本が1分、1時間、1日、1週間、1ヶ月を表します。また分足は1分足や5分足、15分足など様々な種類があります。
覚えておきたい基本形
ロウソク足の見方を覚えたら、ロウソク足の基本形(パターン)を覚えると良いでしょう。
相場分析や予測など実際の取引に活かしている投資家も多いです。
- 小陽線
- 大陽線に比べ実体部分がやや小さく、やや買いに傾いた保ち合いを示します。相場の迷いを表しているとも言われます。
- 小陰線
- 大陰線に比べ実体部分がやや小さく、やや売りに傾いた保ち合いを示します。相場の迷いを表しているとも言われます。

- 大陽線
- 実体部分が周囲のロウソク足に比べ明らかに大きい陽線です。買いの勢いが続くことを示します。下げ相場で見られた時は転換点のサインとも受け取れます。
- 大陰線
- 実体部分が周囲のロウソク足に比べ明らかに大きい陰線です。売りの勢いが続くことを示します。高値圏で出現した時は下げ相場への転換点のシグナルとも受け取れます。

- 上影(髭)陽線
- 上ヒゲが長く実体部分が下方にある陽線で、安値に傾く可能性を示唆しています。高値で出た場合には下落への転換点とも受け取れます。
- 上影(髭)陰線
- 上ヒゲが長く実体部分が下方にある陰線で、安値に傾く可能性を示唆しています。高値で出た場合には下落への転換点とも受け取れます。

- 下影(髭)陽線
- 下ヒゲが長く実体部分が上方にある陽線で、買いが強まる可能性を示唆しています。安値で出た場合には上昇への転換点とも受け取れます。
- 下影(髭)陰線
- 下ヒゲが長く実体部分が上方にある陰線で、買いが強まる可能性を示唆しています。安値で出た場合には上昇への転換点とも受け取れます。

- 十字線
- 始値と終値が全く同じで実体がない形をしています。売り買いが拮抗している状態を示し、相場転換を示唆しています。寄引同時線とも呼ばれています。

ロウソク足を使った分析のポイント
ロウソク足を用いて分析したり、将来の相場を予想したりする際は次の点も重要です。
ロウソク足は1本で見ない
先程の基本形を用いてロウソク足1本で分析することも可能ですが複数のロウソク足を組合せて分析することでまた違った見方ができ精度は高まります。実際の取引にも応用できるロウソク足の組合せをご紹介します。
- はらみ線
- 2本のロウソク足のうち古いロウソク足の中に新しいロウソク足が入っている形状をはらみ線と言います。
相場の天井や底を形成するときによく出る形とされており、トレンドが転換するサインとも言えます。
・上昇相場において、大陽線の次に小陽線もしくは小陰線がはらまれた場合には天井(これから下落する)を暗示。
・下落相場において、大陰線の次に小陽線もしくは小陰線がはらまれた場合には底(これから上昇する)を暗示。
いずれの場合においても、はらまれたロウソク足が寄引同時線の場合には天井または底値となる可能性が非常に高くなります。
- 2本のロウソク足のうち古いロウソク足の中に新しいロウソク足が入っている形状をはらみ線と言います。

- 包み足
- 2本のロウソク足のうち、新しいロウソク足が古いロウソク足の高値と安値を包み込んでいる形状を包み足と言います。
これは新しいロウソク足が陽線か陰線か、どの局面で出現するのかも合わせて確認する必要があります。
・上昇相場において、陰線が陽線を包んだ場合には、下落に転じる転換点となる確率が高い。
・下落相場において、陽線が陰線を包んだ場合には、上昇に転じる転換点となる確率が高い。
- 2本のロウソク足のうち、新しいロウソク足が古いロウソク足の高値と安値を包み込んでいる形状を包み足と言います。

他にもパターンによる分析方法は様々あります。
移動平均線(MA)など他のテクニカル分析と組合せたり、ロウソク足の情報から利益確定や損切りなどのタイミングを判断する など、自分の取引手法にあったロウソク足のパターンをみつけましょう。